労働基準法と就業規則

労働基準法では、常時10人以上従業員がいる会社で
あれば、就業規則を作成し、備え付けなければならな
いと規定しています。


就業規則は、絶対的必要記載事項をクリアしていれば、
基本的に会社が自由に作成することができます。


更に、中身はどうあれ管轄の労働基準監督署に提出す
ることができます。


もちろん、就業規則内で労働基準法に反するものは、
その部分は無効になります。


しかし、労働に関しての問題は、従業員から訴え出な
いと、それが表面化することはなかなかありません。


したがって、従業員がこの就業規則をある程度理解し、
労働基準法に沿って作られているのかどうか、その
ほか何が書かれているのかなどを把握している必要
があります。


例えば、会社員になれば当然退職金はあるもの、と
思われる人もいるかと思います。


しかし、退職金は設置義務のあるものではありませ
んので、当然あると思っていたのに、実はないとい
うことがあります。


退職金に関しては記載必須事項ではありませんが、
就業規則にはそのような内容のものも含めて詳細な
規定があります。


就業規則には記載条件があると言いましたが、始業
時刻と終業時刻について、休憩時間および休日につ
いて、賃金の決定と計算方法・支払方法と支払の時期、
昇給について、退職および解雇については必須事項と
なっています。


この必須事項以外の内容については、任意事項になり
ますので、記載がない場合は特に制度がないというこ
とになります。


就業規則には、従業員として働くための労働条件や
服務規律等が記載されています。


このため、自分の勤めている会社の就業規則は、一度
目を通しておくことをお勧めします。

労働基準法・みなし労働時間制

労働基準法では、様々なみなし労働時間制を規定しています。


みなし労働時間制とは、労働時間の把握が難しい職種に適用
できる労働時間に関する制度のことを言います。


みなし労働時間制は、従業員全てに適用できる制度ではなく、
「労働時間の把握が難しい職種」に限定されますので、営業
職や開発・研究職、企画職などの職種に適用できる制度です。


適用職種の条件などについては、労働基準法に定められてい
ます。


そもそもこの制度は、適用対象の職種においての労働時間の
管理や作業の進め方、ペース配分などは、従業員自身に委ね
た方が効率の面から見ても、効果の面から見ても良いケース
が多いため、予め定めておいた時間を働いたとみなすことが
できるようにしたものです。


このように、みなし労働時間制とは、協定で設定した時間を
働いたものとみなすものです。


一見、何ら問題のないように見えますが、例えば休憩時間を
除いて8時間とされている場合、実際に10時間働いていた
としても、8時間とみなされてしまます。


この考え方を利用して、残業代の削減をしている会社も少な
くないようです。


また、不当な仕事量を与え、こなせないのは本人の能力不足
として、これまた不当に時間を搾取し、意図的に従業員に裁
量を与えていないというケースもあります。


自分の会社で、このみなし労働時間制を採用している場合、
注意しなければならないことがあります。


まずは、労働基準法に基づききちんと届け出されているか
どうかです。


みなし労働時間制は、適用職種や労働時間などを書面にして、
管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。


次に、そもそも労務管理が行われているのかどうかです。


これはタイムカードなどで、従業員1人1人の労働時間など
を会社が記録・把握しているかということです。


みなし労働時間制を採用しているからと言って、割増賃金
などの残業代を支払わなくて良いということにはなりません。


そのため、実際にはどれくらい働いているのかを会社は管理
していなくてはいけません。


また、従業員が働きすぎで健康を害することのないように
定期的に健康診断をすることも必要でしょう。


また、過重労働を防ぐための苦情申出制度も必要です。


最後に、届出の内容と実態が合っているかどうかです。


これが合っていないと、残業代削減のために制度を利用
しているものと考えられます。

労働基準法・年次有給休暇の要件

年次有給休暇とは、読んで字のごとく給料のある休暇
になります。


これは、それぞれの会社特有の制度と言ったものでは
なく、労働基準法に規定されているもので、会社は従
業員に付与する義務があります。


従業員が年次有給休暇を行使できるようになるには、
以下の要件が必要です。


まず、6ヶ月以上勤務していることです。次にその内
8割以上出勤していることです。


つまり当該労働者が、確実に「半年間その会社に所属し、
仕事をしてきた」ことが必要です。


この要件をクリアしている従業員に対し、会社は10日
間の年次有給休暇を付与する義務があります。


その後は、1年ごとに勤続年数に伴って年次有給休暇が
付与されます。


例えば、入社1年半経過後は11日、2年半経過後は
12日と、この日数についても労働基準法で規定されて
います。


また、年次有給休暇には2年の有効期限があります。


2年間で5日間の年次有給休暇を使ったが、それ以降
は未使用のまま2年が経ってしまった場合、残りの5
日分は残念ながら消滅します。


年次有給休暇を使わせることに関して労働基準法に定
めはありませんので、自分の年次有給休暇日数を把握
しておくことが必要です。


年次有給休暇は、基本的に正社員だけに与えられるも
のと思っている人がいるかもしれませんが、アルバイト
やパートでも年次有給休暇は上記の要件で発生します。


発生の時期は正社員の場合と同じですが、与えられる日
数が1〜7日という差があります。


これはアルバイトやパートは、人によって働いている日数
に差がありますので、週何日働いてきたか、または、年間
何日働いてきたかにより日数が決まっています。


これを年次有給休暇の比例付与と呼んでいます。


また、有効期限に関しても正社員と同じく2年です。



労働基準法・年次有給休暇の行使

年次有給休暇は、労働基準法で定められている仕事を
休む正当な「権利」です。


権利は、正当な範囲内であればどのように使っても、
それは自由です。


例えば、年次有給休暇を使う理由として、イベントが
ないといけないと思っている人が多いようですが、そ
れは誤りです。


日本人は、どうも権利の行使という行為が苦手のよう
に感じます。


せっかく入社後半年間勤務を続けて年次有給休暇をもら
えたのに、結局使えずに終わってしまうことが少なくな
いようです。


そもそも土日のような休日の過ごし方や、休日に仕事を
休む理由を会社に申請するでしょうか。


そんなことは、労働基準法のどこにも書かれていません。


有給休暇も、この土日の休日と基本的に同じと考えられ
ます。


仮に使う理由を会社から聞かれたとしても、答える義務
はありません。


そして、その理由がないから使うことができない、という
こともあり得ません。


年次有給休暇が「休日」である以上、いつでも連絡が取
れるようになどの業務命令を出すことはできません。


休日中の呼び出しなども含めて、それに応じなければな
らない義務はなく、また会社も従業員の同意がない限り
強制することはできません。


業務の正常な運営を妨げる場合、会社は年次有給休暇の
使う日をずらすよう命令を出すことは可能です。


有給休暇の申請の仕方に関しても、就業規則などで定め
ていますので、まずこれの確認が重要です。

労働基準法・休日と休暇

労働基準法上の休日、休暇についてお話します。


まず、「休日」とは、予め定められている仕事をしなく
ても良い日のことを言います。


一般的には、土曜日と日曜日の場合が多いようです。


労働基準法では、会社は1週間に最低1日、もしくは
4週間に4日以上の休日を従業員に与えなければなら
ないと規定されています。


この休日に仕事を休むことに、特に申請や報告などは
不要です。


休日には法定休日と法定外休日との2種類あります。


法定休日とは、繰り返しになりますが、労働基準法で
定められている、最低限与えなければならない休日の
ことです。


労働基準法では、1週間に最低1日とあります。


現在、休日は一般的に土日に設定されていると思いま
すが、その内1日が法定休日に当たります。


土曜日でも構いませんし、日曜日と定めることも
出来ます。


法定休日に労働した場合は、休日労働に当たりますので、
割増賃金が発生します。


一方、法定外休日とは、上記のように週休2日制の場合、
法定休日ではないもう1日のことを言います。


週休2日制で土曜日を法定休日とすると日曜日が法定外
休日となります。日曜日を法定休日とすると土曜日が
法定外休日となります。


法定外休日の労働には割増賃金は発生しませんが、週6
日勤務になると大抵1週間で40時間を超えた労働にな
りますので、時間外労働の割増賃金が発生することが
多いでしょう。


その他、休める日には「休暇」というものもあります。


休暇とは、元々労働の義務のある日に従業員が申請
することで、休める日になる日のことを言います。


年次有給休暇や出産休暇、育児・介護休業などがこれ
に当たります。


休日との違いは、予め休める日と設定されているか
否か、という点です。


年次有給休暇以外の休暇を有給とするか、無給とする
かは会社が決めます。

労働基準法・懲戒処分

労働基準法では、減給する場合は、1回の減給額が平均
賃金の1日分の半額を超えてはならないと規定されてい
ます。


更に、総額が1賃金支払期における賃金額の10%を超
えてはならないとも規定されています。


もし、この数値を超えるような減給を行う場合、2回以上
に分けて処置を行わなければなりません。


減給は、懲戒処分の1つです。


懲戒処分には、一般的にけん責・戒告、減給や降格、出勤
停止、懲戒解雇などがあります。


また、懲戒処分については、就業規則にその種類と程度に
関する事項を記載しなければならないと、労働基準法に
規定されています。


つまり、懲戒処分として減給することがあるのであれば、
その旨就業規則に記載していなければならないのです。


では、就業規則に懲戒処分について記載がない場合は、
従業員が会社に対しどんな不利益になる行為をしても、
減給処分されることはない、もしくは減給処分をした
場合は違法になるのでしょうか。


労働基準法に定めがあるにも関わらず、就業規則で定
められていないということは、減給処分はできないと
普通は考えます。


しかし、就業規則を作成していなかった会社で、懲戒
解雇処分が認められた判例があります。


それによると、たとえ就業規則に懲戒処分の記載がな
い場合でも、社会通念上許容される範囲内であれば、
減給を含めた懲戒処分は可能と判断されます。


しかし、会社が当該従業員の行為によって受けた「多大
な迷惑」が相当のもので、その処分が社会通念上妥当で
あると認められるものでなければならない、というとこ
ろがポイントです。


いずれにせよ、懲戒処分を行うため、就業規則を作成
しておいた方が良いでしょう。

労働基準法・残業

労働基準法では、フレックスタイム制や裁量労働制、
変形労働時間制など、いろいろな勤務形態を認めて
います。


従業員1人1人によって様々になっている昨今の勤務
スタイルですが、会社に雇用されている場合、そのス
タイルは労働基準法で認められた形でなければ、違法
に労働させられているということになります。


労働基準法で言う労働時間とは、休憩時間を除いて働
いている時間で、言い換えると作業のために拘束され
ている時間のことです。


これとは別に、法定労働時間というものがあります。


1日につき8時間以上働かせてはならない、1週間で
40時間以上働かせてはならないという規定のことです。


労働時間というのは、基本的に会社がそれぞれの基準で
設定することが出来ます。


正確には、会社が設定する労働時間のことを所定労働時間
と言います。


したがって、所定労働時間と法定労働時間は同じものでは
ありません。


会社によっては、所定労働時間が休憩時間を除いて1日
7時間と設定している場合もあるでしょう


もちろん、所定労働時間は法定労働時間を超えて設定
することはできません。


では、残業と残業代との関係はどうなるのでしょうか。


労働基準法で言う残業とは、所定労働時間を超えて労働
することを言います。


例えば、1日の所定労働時間が6時間の会社で8時間
労働した場合、2時間残業したことになります。


この場合は、2時間分の残業代は支給されるので
しょうか。


所定労働時間から2時間を超えて労働していますが、
2時間であれば法定労働時間内です。


法定労働時間内の残業のことを、法内残業と言いま
すが、2時間分の残業代はもちろん支給されます。


ただし、25%の割増賃金を出すかどうかは、会社
側で選択することができます。


もし、同じケースで残業時間が3時間あった場合、
2時間分は法内残業になりますが、残りの1時間は
法定労働時間を超えているので時間外労働となり、
会社は割増賃金を支給しなければなりません。

労働基準法・割増賃金

労働基準法上、割増賃金とは、会社が従業員に対して
時間外労働や休日労働、深夜労働をさせた場合、それ
ぞれの割増率を1時間あたりの賃金に上乗せして支払
わなければならないものをいいます。


この上乗せされる割増率は、労働基準法で全て定めら
れています。


俗に言う残業代と割増賃金とは厳密に言うと異なります。


時間外労働ではない残業(法内残業)の場合、当然その
労働時間に対して残業代が出ますが、割増賃金は支払う
必要はありません。


労働基準法では、残業代という言葉は使われていません。


まず、時間外労働とは、労働基準法にある法定労働時間
すなわち1日8時間、1週間40時間を超えて労働する
ことを言います。


この時間外労働の場合に上乗せされる割増率は、25%
以上です。


次に休日労働とは、会社の就業規則などで設定されてい
る休日に労働することを言います。


この休日労働が法定休日に当たる場合は、上乗せされる
割増率は、35%以上です。


ちなみに休日は、1週間で最低1日は設定しなければな
りません。連続7日間労働させることは違法です。


最後に深夜労働とは、当日午後10時から翌日午前5時
の時間帯に労働することを言います。


この深夜労働の場合に上乗せされる割増率は、時間外労働
と同じ25%です。


割増賃金は、「1時間あたりの賃金×対象になる時間数×
上乗せされる割増率」の計算式で計算します。


また、1時間あたりの賃金は、「1ヶ月あたりの賃金÷
1ヶ月の所定労働時間」で計算します。


1ヶ月あたりの賃金とは、基準内賃金のうち、住宅手当、
家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、臨時に
支払われる賃金、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる
賃金を除いた賃金です。

労働基準法・36協定

労働基準法では、原則としてその労働時間について、
法定労働時間内で行うよう定めてあります。


この法定労働時間とは、1日8時間、1週間40時間
です。


会社は、従業員に対し残業や休日労働などを強制する
ことは原則として出来ません。


しかしながら、職種などによりやむを得ず、徹夜で作
業をしなければならないなどの状況があります。


時間外労働、休日労働に関し、予め会社と従業員間で、
その内容について協定を締結します。


これを36協定と言います。労働基準法第36条で
定められていることからこう呼ばれています。


36協定は、会社と労働組合とで結ぶものです。


労働組合がない場合、会社と従業員の過半数を代表
する者とで締結します。


時間外労働・休日労働をさせる理由、業務の種類、
協定の対象になる従業員数、延長できる限度時間、
労働させる休日、協定の有効期限を書面に記載し
ます。


この労使協定は、管轄の労働基準監督署に届け出
なければなりません。


時間外労働は、1ヶ月45時間、1年間360時間
内に抑えるように行政指導がなされています。


36協定は労働基準法で定められているものですが、
届け出れば時間外労働と休日労働が違法にならない、
という程度の効力しか持っていません。


これを免罰効果と呼んでいます。


元々、所定労働時間は法定労働時間を超えて設定して
はならないものであり、所定労働時間は会社によって
当然違いがありますので、各々就業規則などで定めて
ることになっています。


会社は、36協定で定められた時間以上に従業員を
働かせたり、休日労働を命ずることは出来ません。

労働基準法・解雇要件

平成16年の労働基準法の改正で、解雇に関する
条文が加わりました。


解雇に関して変更された内容は、ただ30日以上
前の解雇予告、もしくは解雇予告手当を支払えば
良いというものではなく、解雇するに当たって
「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当
であると認められない場合は、解雇権の濫用とし
て無効」と規定されました。(労働基準法第18
条の2)


明らかに会社が解雇に関して、不景気が影響し、
リストラなど解雇の濫用を防ぐために、労働基準
法が改正されたと思われます。


この改正により、解雇する場合はその理由を明確
に記さなくてはならなくなりました。


そして就業規則には、解雇の理由について具体的
に記載する義務が加えられ、また解雇予告された
従業員は、会社に対しその理由についての書面を
請求できるように改正されました。


解雇予告や解雇予告手当、そのほか解雇に必要な
手順などは、正社員もアルバイト・パートも原則
として同じです。


ただし、2ヶ月以内の期間の短期雇用契約者と、
試用期間中で働き始めて14日以内の者等は、
この解雇予告手当の支給はありません。


近年の不景気の影響で多くの会社で整理解雇が
行われました。


それゆえ、整理解雇を行って良い条件は、厳し
く設定されています。


いわゆる整理解雇の4要件と呼ばれてる、人員
整理の必要性、解雇回避努力義務の履行、被解
雇者選定の合理性、手続の妥当性の全ての条件
がクリアされていないと、その整理解雇は無効
と判断されます。


ちなみに整理解雇と言う用語は、労働基準法に
記載されている法律用語ではなく、裁判の判例
に記載されたものです。

労働基準法・労働者の味方

労働基準法は、労働組合法や労働関係調整法と共に
労働三法として数えられているですが、意外とその
細かな内容は知られていません。


労働基準法をきちんと知らないがために労働者が損
をしてしまうケースがあります。


例えば、有給休暇が実際はあるのにもかかわらず気
づいていなかったり、労働時間に見合うだけの休憩
時間が貰えていなかったり、労働時間の総時間数が
違法な量になっていたりします。


会社で発生する労働問題の多くが労働基準法違反に
よるものです。


その問題に対して自分から積極的に動き、権利を勝
ち取るためにも、まずは会社にいい負かされないよ
うにするための知識が必要となります。


その知識を得るために、先ずは労働者が有する権利
について調べてみることはとても大切なことです。


実際に労働基準法を勉強していくと、こんなこと聞
いたこともないというような事実に出くわすことも
少なくありません。


会社での問題に巻き込まれ苦悩する前に労働基準法
についてよく調べ、それらの事実を知り、自らその
問題に立ち向かう事が出来るようになることが大切です。


もしも自力でどうしようもない問題に直面してしま
ったなら、諦めるのではなく社会保険労務士といっ
たいわゆる『労働基準法のプロフェッショナル』に
相談を持ちかけるのも有効な方法の1つです。

労働基準法・労働時間

労働時間とは、普通、会社の指揮及び命令の下で働いて
いる時間を指します。


これには休憩時間や通勤時間は含まれませんが、仕事の
準備や後片付け、研修や朝礼、ミーティングなどは労働
時間とみなされます。


この時間には労働基準法によって規定されており、休憩
時間を抜いた時間数が1日あたり8時間、1週間に40
時間までとされています。


ただし、これにはいくつかの例外があり、1週間あたり
44時間までの労働を認可されている事業所があります。


常に10人以下の労働者を使用する場合に限り、小売業・
旅館や娯楽場・福祉施設や医療機関・映画館などがこれ
にあたります。


さらに、管理監督者や農水産業をする労働者にはこの上
限が適用されません。


また、労働基準法によると、労働時間にはみなし労働時間
と裁量労働時間の2種類があるとされています。


みなし労働時間とは、出張など会社外で働いた場合に会社
の所定の勤務時間で働いたとみなすことを言います。


時間外労働については事前に時間を定めた上で適用し、労
働時間の算定が出来る場合は時間外労働分の賃金が支払わ
れます。


また、裁量労働時間とは、実際の労働時間とは関係なくあ
らかじめ決められた時間を働いたとして賃金が支払われる
制度をことを言います。


これは一見よく見えますが、勤務時間が長期化した際に元
の賃金での時給と釣り合わなくなる恐れがあるため、労働
者本人の同意が必要となります。


これらの内容については労働基準法第4章に詳細に規定さ
れています。

労働基準法・休憩時間

労働基準法では、仕事を安全かつ健康的にこなすために
休憩時間に関する規定を設けています。


会社側には、労働者の労働時間が6時間を超える場合には
45分間以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩
時間を、労働時間の途中に労働者に与える事が義務付け
られています。


ここで注意しなくてはならないのは、『〜を超えて』と
いう言い回しです。


これによって、労働基準法の内容上6時間ちょうどまで
は休憩なしでも違法になりませんし、8時間ちょうどの
時は45分間の休憩でも合法ということになります。


また、休憩時間の過ごし方についてですが、会社側は労
働者に対して休憩の方法を強制することはできません。


休憩時間は、労働者が自由に過ごすことが出来ます。


但し、休憩時間に職場外に出るような場合は、上司の
許可が必要な職種もあります。


これには例外があり、警察官や消防士、養護施設などの
労働者には安全上の理由などから制限が規定されています。


さらに、労働基準法では休憩時間は労働者全員が一斉に
取ることと規定しています。


これは休憩時間の一斉付与の原則といわれています。


しかしこれにも例外はあり、一斉に休憩してしまった場
合に公衆に不便があるような業種、例えば運輸や金融、
販売業などでの労働者に対してはこの原則を排除できる
ことになっています。

労働基準法・年次有給休暇

年次有給休暇とは、労働勤務のある日に休んでも給与が
保証されている休暇のことです。


これは労働基準法によって定められた権利であり、個々
の会社で設定されている制度ではありません。


ですが、年次有給休暇は労働者なら誰もが持つ権利とい
うわけではありません。


年次有給休暇は、仕事に就き始めて6ヵ月が経ったとこ
ろで初めて貰う事ができるもので、その日数は労働期間
の長さに比例して増えていきます。


ちなみに勤務を開始した最初の年次有給休暇は10日間です。


また、初めて年次有給休暇を貰ってから1年経つごとに、
新たな年次有給休暇が発生します。


しかし、注意しなければならないことがいくつかあります。


まず、有給休暇には期限があり、貰える状態になってから
2年経過するまでに残っていた分の休暇は消滅してしまう
と労働基準法で規定されています。


もしも消滅前に有給休暇を使い切ることが出来なかった場
合には損をすることになりますね。


また、年次有給休暇を受けるためには事前に申請をする必
要があります。


これについては病欠等の際に適用されることも会社によって
は認めているようですが、必ず認めなければならないという
ものではありません。


さらに、労働基準法では年次有給休暇を労働者が請求する時
期に与えるとあります。


これに対して会社側には、事業の正常な運営を妨害するよう
な休暇の取り方をしようとした場合にこれを他の時期に移す
事が出来る権利があると労働基準法で規定されています。


労働基準法・自己都合退職

「人手が足りないから」などという理由で、なかなか退
職願を受理してくれなかったという経験はありませんか?


しかしそれは会社側が労働基準法に違反していることも
あります。


雇用期間に定めがない場合、労働基準法では退職をする
ことは労働者の自由として認められています。


ただし、退職したい日の2週間前には会社へ『退職願』
を提出しなければなりません。


会社の種類によっては引き継ぎなどがあるため、3ヵ月前
までに退職の意図を伝えなければならない場合もあります。


しかしそうして提出した退職願も受理されなかったという
場合もあります。


この場合には内容証明郵便を使って退職願を出す方法が
あります。


内容証明郵便とは、自分が本気であるということをアピ
ールすると同時に大きな証拠となる郵便で、どのような
内容の手紙をいつ誰が誰に出したかということを郵便局
が証明してくれる郵便のことです。


これを作成する方法はとても簡単で、個人で書くことも
可能な為、本気で退職したいと思う方は使ってみるのも
よいかも知れません。


また、雇用期間に定めがないパートやアルバイトなどの
場合ですが、労働基準法では期間満了の日が来るまで退
職をすることはできないとしています。


その上でやむを得ず辞めるという場合には退職すること
は可能ですが、場合によっては損害賠償を請求されるこ
ともあるので注意が必要です。


まずは、自分が期間の定めのない社員として雇用されて
いるのか、期間の定めがある社員として雇用されている
のか確認することが大切です。


自分の置かれている状況を正確に把握した上で、きちん
とした退職の方法を取ることが大切です。

労働基準法・サービス残業

労働基準法では1日に8時間、1週間に40時間を超える
労働は原則として認めないと規定されています。


これにはもちろん残業時間も含まれています。つまり、残
業代を支払ったところで明確な理由もなくこの時間以上の
労働させることは違法行為となるのです。


しかし、現実では、残業続きで定時に退社できることなん
て数えるくらいしかない、という方多いのではないでしょうか。


なぜ、こうした残業が許されているのでしょうか。


それは会社側と労働者側との間で話し合いにより協定が
結ばれていれば、その範囲内で残業をさせることが労働
基準法上許されているからです。


この協定のことを36協定といい、協定の長さによって
その期間内に残業をさせてもよい時間数は定められてい
ます。


さらに、会社側は残業の際の賃金を通常賃金よりも25
〜50%割増して支払わなければならないとも労働基準
法に規定されています。


ちなみに36協定によって、1週間の場合に15時間、
1ヵ月で45時間、1年で360時間までの残業をさせ
てもよいと行政指導されています。


労働基準法・産前産後休暇

産前産後休暇には2種類の期間があり、労働基準法によれば
出産前6週間を産前休暇、出産後の8週間を産後休暇とし、
出産直後から6週間は必ず休業しなければならないとしてい
ます。


もしも出産後の6週間以内に労働者を就業させた場合、会社
は違法行為を犯すこととなります。


また、産前休暇と産後6週間以降の2週間については休むこ
とができる期間であり、自分の希望で働くか休むかを選ぶこ
とができます。


なお、労働基準法では産前休暇・産後休暇の間の給料は支払
いの義務はありません。


義務がないというだけで、会社によっては休んでいる間も給料
が支払われる場合があります。


産前産後の休暇中で給与が支給されない場合、健康保険の
被保険者であれば、出産手当金が支給されます。


また、出産の場合は、出産育児一時金が支給されます。


妊娠中に通常業務が困難となった場合は、申請をすることに
よって軽い業務に転換して貰うこともできます。


時間外労働や休日の勤務もさせてはならないと労働基準法に
規定されています。


また、母子保健法に基づき、母体保護のための休業、不就労
時間が認められています。


このように産前産後休暇前後には母体の健康を守る為、様々
な対応が会社側には義務付けられていたり、それを請求でき
たりする制度があります。



労働基準法・解雇

納得のいかない扱いの代表格と言っても過言ではない
のが解雇です。


その原因はまちまちですが、自分が悪いならまだしも
一生懸命に頑張っているにもかかわらず突然解雇を言
い渡されることもあります。


そのような時で、辞めるという意思がないときは何が
あっても退職届は書かないように注意してください。


解雇は客観的に合理的な理由および社会通念上も妥当性
がない場合は無効と労働基準法に規定されています。


もしも退職届を書くように促された場合は、解雇理由を
問いただすなど、逆に会社側に情報開示を求めましょう。


また、労働基準法によれば解雇をする為には1ヶ月以上
前にその予告をしない限り、会社側は平均賃金の30日
分以上の賃金を労働者側に支払わなければならない義務
があるとされています。


これには事業の継続がやむを得ない理由で不可能になっ
たときや、責任が明らかに労働者側にあるときは含みま
せん。


ですが、日雇い労働者や2ヵ月以内の期間設定で雇用さ
れた労働者などは予告なしに解雇をすることが認められ
ています。


そして、不当な解雇をされないためにも常に自分の発言
と会社側の発言には注意をしておくことが重要です。

ボイスレコーダーを携帯し、それに録音しておくことが
確実です。


もしも辞めさせられそうになったときのためにも普段か
ら退職をほのめかすような発言等はメモを取っておきま
しょう。


解雇通告なしにさらに退職をすすめられた場合には、き
ちんと証拠となる会話内容を記した上で、自分が辞める
気がないことを明記した内容証明郵便を送付するなどし、
会社側に意思をはっきりと伝えましょう。


ポイントは、会社を辞める気がない場合は、自分から
退職願を出さないことです。


この場合、会社は解雇するかも知れませんが、解雇され
ても合理的な理由、社会通念上の妥当性がなければ、
解雇は無効となります。

労働基準法・時間外労働

労働基準法では、いくつかの時間外労働について規定
しています。


まず、災害時による臨時労働が必要となった場合の時間
外労働については、会社側は行政官庁の許可を受けるこ
とで休日にも労働者を働かせることが可能と規定しています。


また、事態が急迫している場合については許可を後回し
にする事も出来るため、迅速な災害への対処が可能と
なっています。


次に、一般の業務時に労働時間を延長しての時間外労働、
つまり残業をする場合は、その残業時間に対して割増賃金
を払う義務があると労働基準法で規定されています。


この場合は、使用者と労働者とが時間外・休日労働に
関し労使協定を締結し、この協定の時間内であれば、
労働者に時間外・休日労働を命ずることが出来ます。


この労使協定を36協定と呼んでいます。


また、労働者に時間外労働をさせるためには、就業
規則で時間外労働を命ずる場合があることを規定
しておく必要があります。


妊産婦(妊娠中または産後1年を経過していない女性)
などに対しては時間外労働をさせてはならないという
と労働基準法では規定しています。


最後に、国家公務員や地方公務員が臨時に必要となった
場合も時間外労働をさせてよいとされています。


このような時間外労働を行った場合に、手当として割増
賃金が支払われます。


割増率は、通常の時間外労働は25%、深夜労働(午後
10時から翌日の午前5時まで)は25%、休日労働は
35%となっています。


現在、この割増率の引き上げが検討されています。

労働基準法・賃金

労働基準法第24条では、賃金の支払いについて定めら
れています。


第24条によれば、使用者は賃金を通貨によって労働者
に直接全額を支払う義務があります。


この際に注意しておきたいことは、通貨でなければなら
ないということです。


ここでいう通貨とは、日本で作成された貨幣や紙幣のこ
とで、外国通貨や小切手による支払いは違法扱いになり
ます。


ただし、この24条にはいくつかの例外があります。


まず、労働協約によって定められていた場合に、労働
組合員に対して通勤定期券の支給や住宅の供与などと
いった現物給付が認められています。


労働協約の締結が必要ですから、当然労働組合がある
ことが前提です。


もし、労働組合がなければ、通勤定期券の支給等の
現物給付は出来ません。


また、会社側が労働者の同意を得ている場合には、
労働者が指定した労働者本人名義の預貯金口座への
振り込みなどで支給することも出来ます。


この場合、振り込まれる賃金全額が給料日当日に
引き出せる状態にされていなくてはなりません。


さらに、労働基準法第24条では毎月1回以上の
給料の支払いをしなければならないと規定しています。


これにも例外は存在し、臨時に支払われる賃金や賞与
などの賃金については第24条には影響されないとし
ています。


労働時間や賃金の端数の取り扱い方については、通達
に書かれています。


1ヶ月内の時間外労働時間数合計が30分未満である
ならば切り捨て、30分以上であれば1時間に切り上
げるとなっています。


また、1時間あたりの賃金額に円未満の端数が出た場合、
50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げる
となっています。


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